厨房機器メーカー『tanico』の最新情報をお伝えします。
■2010年
2010.05.17 日経流通新聞
食を支える
タニコー無料で厨房設計
勤務していた外食企業から独立して自分の店を開業することになったが、厨房(ちゅうぼう)などの設計に自信がないーー。そんな悩みを解消してくれるサービスが厨房機器の製造・販売を手がけるタニコー(東京・品川、谷口秀一社長)の無料設計相談室だ。
無料設計相談室は自社サイト内に専用ページを設けている。専用ページから飲食店の厨房レイアウトの図面を見ることができる。飲食店は一般飲食店や日本料理店、外国専門料理店の3つの図面を掲載する。
例えば一般飲食店を選ぶと、焼き肉店と焼鳥店、居酒屋、喫茶店の図面をそれぞれ掲載している。居酒屋であれば126席設けた店舗図面を公開している。図面は番号が表示されており、大型冷蔵庫やフライヤー、ビールディスペンサーなど居酒屋を運営するのに必要な厨房機器61種類を配置している。
飲食店以外にも病院・福祉施設と集団給食、宿泊・娯楽施設の図面レイアウトを紹介している。「病院・福祉施設ではワゴンを使って食事を配膳するなど、飲食店と提供の仕方が違うため厨房でのオペレーションも変わってくる」(設計部の大下浩司次長)。
最近は地方の一般道路沿いにある休憩所「道の駅」から、農産物加工場の設計依頼もあったという。
図面の設計は同社の設計担当が手がけている。厨房設計の相談は専用ページに掲載する問い合わせフォームで受け付けているが、電話などでも相談に応じている。最近は居抜き物件を使って開業する人が多く、事前に既存物件の簡単な図面を提示し改良を希望する人も多いという。
依頼内容によって図面設計時間は異なるが、「事前にちゃんとした図面を提示してもらうと、2〜3日程度で設計が完成する」(大下次長)。厨房設計に特化してない設計事務所から依頼を受けるケースも多い。
無料設計相談室は1990年代後半に専用サイトを開設した。初めての飲食店を開業する人から「厨房機器を購入したいが、どの種類を買えばいいかわからない」という問い合わせがあり、総合的な窓口としてサイトでの告知を始めた。
年間100件弱の問い合わせがあるが、実際に設計を頼むのは70〜80件程度に減ってしまう。残りの30件弱は「サイト図面を見たので厨房のカタログだけを送ってほしい」というような依頼で終わってしまい、実際の厨房機器購入までつなげられないという。
設計は無料だが、機器購入までつなげられるかどうかが課題となる。そこで今年3月にサイトで掲載する図面を刷新、パスタレストランとそば屋の厨房レイアウトを追加した。図面と厨房機器の紹介だけではなく、厨房機器の特徴や調理・配膳作業をイラストでわかりやすく示した。大下次長は「具体的なメニューや客単価の設定まで開業したい店を細かく想定できるきっかけになれば」と話す。(潟山美穂)
2010.05.17 日経流通新聞
スタイリッシュなデザイン省エネを追求
フレンチの有名レストランに見る最新電化厨房
近年、給食など大量調理施設だけでなく一般の飲食店にも業務用電化厨房(ちゅうぼう)が急速に普及しつつある。なかでも、昨年大きく話題を呼んだのが、フランスで5年連続ミシュランの一つ星を獲得した若手実力シェフ・松嶋啓介氏が東京・原宿にオープンした「Restaurant-I(レストラン・アイ)」。料理のすばらしさとともに、独自に開発された電化厨房の実力が知られるようになった。フランス料理のみならず、広く外食産業に衝撃を与えた同店の電化厨房を訪ねた。
「地産地消・旬産旬消」で究極のエコを実践
「Restaurant-I」は東京・原宿の東郷神社の森に抱かれるように、緑したたるロケーションに建つ。店名の「I」はインターナショナル、アイデンティティー、インフォメーションの頭文字をとって名づけられた。東京から世界に向けて、この店でしか出せない料理を出す。コンセプトの根幹は「地産地消・旬産旬消」、すなわち東京・関東の旬の盛りの素材だけを使うことにある。
こうしたこだわりは、味のよさに加え、フードマイレージが減ることで積極的なエコの実践につながる。新鮮な素材は、まず厨房の下処理室に運ばれる。汚れを除いたら、広々した厨房内部へ。一般的なレストラン厨房を知る人なら、この店の厨房の広さ、明るさ、天井が高く開放感にあふれること、快適な温度と湿度、換気がよく全くにおいがこもらないこと、そして何より厨房自体が美しくデザインされていることなどに驚きを覚えるはずだ。
電化厨房の魅力は、クール(涼しく)・クリーン(清潔)・コントロール(温度管理が簡単)という3Cメリットにある。実際、「Restaurant-I」の厨房内も非常に働きやすい環境であり、油煙が飛ばないので掃除の手間も少ない。スタッフ全員がつねに料理に全力集中できる場となっているのだ。
フランス料理のデリケートな火加減も自由自在
食材でエコを追求し、厨房でさらにエコを極めるというのが、同店の姿勢。
例えばオン・オフを目で確認でき、電気の使用をセーブしやすい光るIH調理器の採用。あるいは、空調管理設備にしても、最新の高効率な換気フードの採用や自動洗浄機能付き天井換気システムの採用など、厨房内すべてを高機能な物にそろえ、それぞれの省エネ効果が最大限に引き出されるようにシステム設計されている。
また、フランス料理は火加減の妙が問われる世界だが、同店ではIHを中心に複数の機器を組み合わせ、デリケートな火加減を自在に扱っている。
厨房内の一角には、シェフズテーブルと呼ばれるガラス張りの部屋がある。VIPやシェフの親しい人を招き、調理をライブで楽しみながら、お任せコースを楽しむ空間だ。そんな飛び切りのぜいたくも、クール・クリーン・コントロールに優れた電化厨房が可能にした。
まさに、最高レベルのレストラン厨房であり、最先鋭モデルといえるだろう。
- 快適厨房コンテストホームページ
http://denkachubo.com/saiyo/gourmet/23/you16.html - Restaurant-Iの厨房について
http://www.tanico.co.jp/products/example/01/index.html - Restaurant-Iのシェフとタニコーの担当者の厨房インタビュー
http://www.tanico.co.jp/action/shop_info/vol11/index.html - Restaurant-Iホームページ
http://www.restaurant-i.jp/
- 2010.05.11 日刊スポーツ
- 35年ぶりブーム
たい焼き - 福岡からカラー化
カラフルなたい焼きは、福岡県大牟田市で誕生した。3年前、尾長屋、藤家、白いたい焼きの3チェーンが創業し、全国に広がった。
現在、3チェーン合計で約420店!このほかにも、たい夢264店、ほのぼのお好み鯛焼き本舗48店などもある。
尾長屋東京営業本部の佐藤浩三さんは「白いたい焼きには見た目のインパクトがある。タピオカ粉を使って、モチモチ感があり、食感も人気です」という。
昨年6月に開店した藤家目黒店の北野三郎さんは「色がカラフルなので、若い女の子に人気があります。味も当チェーンでは秘伝のダシが入っているので、自信があります」。1400匹も売れる大量の日もある。1匹150円だから、約21万円の売り上げになる。200匹という不漁の日もあるが、「開店資金約400万円で、年商2000万円くらいになりそうです」と建設関係から転業した北野さんにとって、まずまずの初年度になったようだ。
3年前に創業した神田達磨(だるま)は、パリパリした皮も味わってもらいたいと羽根付き・薄皮がセールスポイント。田中祐司さんは「焼きたてを食べていただくため、作り置きはしません。3分たったら捨てます」と質にこだわる。神田小川町という場所柄か、男性客が6割という。最高で4000匹、最低でも500匹を売る。1匹140円で、1日の売りあげが56万円になることもある計算だ。
カラフルなだけではなく、味の工夫もそれぞれ。カスタード、チョコ、抹茶などを定番にしている店は多い。バナナ、イチゴ入りなどクレープ系も取り入れる。桜あん、生キャラメル、栗あんなど期間限定もある。味の多角化だ。
ほのぼのお好み鯛焼き本舗はお好み焼き入り(160円)、銀座たい焼き桜家はリゾット入り(230円)、THE TAIAYAKIはカレー入り(220円)など考えられる限りの中身がたい焼きのおなかに入る。スイーツからフード化も進んでいる。付加価値をつけ、料金アップで収益増も狙う。
お好み焼き入り
暑いものを食べたくない夏場は、冷やしたい焼きを出す(尾長屋、藤家、たい夢など)。「チェーン本部の了解さえあれば、中身は各店舗の自由です」(藤家の北野さん)。工夫次第で、何でもあり。その自由さが人気の秘密でもある。
たい焼き店の開店資金は500万円前後と飲食店を開くのに比べて安い。場所にもよるが、売る上げも堅実に見込める。そんなことから、今後も、かつ丼チェーンや運送会社がたい焼き市場に参戦する。これからも予想外に新種たい焼きが誕生しそうだ。
出店ラッシュでたいやき器の製造が追いつかず、同じチェーン店でも違う形のたい型があるそうだ。
厨房(ちゅうぼう)機器大手のタニコー営業企画部の中村大介主任は「3年ほど前から注文が増え、今年も前年比5割増で月15台ほど出ています」という。1連6個のたい焼きができるセットの値段は3連で100万円。電気式で、未経験者でもすぐ焼けるようになるという。「しっぽや目の形など型にもこだわった注文があります。中には、1つだけハートマークが入る型を作ったことがあります」。たいの形もバリエーションが豊かに広がっている。
たい焼きの変形・進化系として水族館から魚型、動物園から人気動物、自治体からはゆるキャラ型の注文もある。秋葉原にはガンダム型まで登場した。ここまでくると、たい焼きというより人形焼きに近い。
市場調査会社の富士経済は3月、スイーツ市場調査を発表した。それによると、たい焼き市場は08年の78億円から09年は388億円に約5倍。今年は471億円に伸びると予測している。スイーツ7業種の中で、7位から4位に赤マル急上昇中だ。
同社東京マーケティング本部の菊池弘幸課長は「スイーツは不況に強い、不景気にはコナモノが強いーという定説があり、たい焼きがブームになっている。たい焼きは初期投資が少なくて済む。消費者もワンハンドで気軽に食べられる。ケーキなどの洋菓子より値段も安くて、ささやかな幸せが味わえるところが人気の要因では」と分析している。
- 2010.03.03 日経MJ
- 食を支える
タニコー たい焼き器、焼きムラ少なく
温度管理、電気で容易に -
日本独特の“ファストスイーツ”、たい焼きがブームだ。個人経営、企業を問わず提供する店も増えている。だがムラなく焼くのは意外に難しい。厨房(ちゅうぼう)機器大手のタニコー(東京・品川、谷口一郎社長)は、熱源を電気にすることでその課題を解決した。2008年に発売した「電気たい焼き器」は鉄板にヒーターを張り巡らした独自構造で、キメ細かく温度管理できる。
「誰が焼いても失敗しない」うえ、大量生産による低価格もあって、順調に受注を伸ばしている。たいをかたどった2枚の鉄板の片側に生地を流し込み、もう一方に生地とあんを乗せて重ね合わせる。6分後に鉄板を開くと焦げ目のムラのない薄茶色のたい焼きが出来上がる。
「誰が焼いても同じように焼き上がるのがこの機器の特徴」と設計・製造を担当する福島鹿島工場の開発課の坂本和正氏は説明する。昔からたい焼きはガスの火で焼くのが一般的。だが、火力が強いため焼きムラができやすいのが難点だった。これを防ぐため、焼成中に何度も鉄板を開いて生地を動かす必要もあり、「慣れない人には難しい作業」(酒本氏)だった。
タニコーの機器は、この熱源を電気にすることで面倒な作業なしに焼きムラを防げるのが特徴。それぞれの鉄板に細い熱線を縦横に巡らし、全体に一定の温度が行き渡りやすい仕組みにしているからだ。
製品化のきっかけは、「ガスではどうも焼き上げが難しい。電気ではどうか」という、たい焼き器オーナーから問い合わせだった。実はそれまで、同社はたい焼き器を扱っていなかった。折からのブームもあり開発に着手してみよう、ということになった。
当初発売した機器は鉄板の種類が1パターンしかなかった。ところがたい焼き店を開く店舗のオーナーは個性にこだわる傾向が強い。そこでたいの厚さ、耳の位置、うろこの数などが異なる基本パターンを5つに増やした。さらに顧客の中には自己流のカスタマイズを求める人もいる。そんな客は工場に招き、じかに要望を聞いて設計する。
「顧客の要望を最大限実現するようにする」(酒本氏)徹底した顧客目線の姿勢が、市場では後発の同社の知名度を急速に高める要因となった。厨房全体をトータルで提案できるのもタニコーの強みだ。たい焼き機器メーカーは中小が多いが、同社はフライヤーや冷蔵庫など幅広い製品を扱う。「たい焼き器の真下に冷蔵庫を設置する人にも対応できる」(営業企画部の中村大介氏)。たい焼き器の基幹部分は工場で大量生産しているので、他社に比べ低価格での提供も可能だ。
現在のたい焼きブームもあって、生産拠点の福島鹿島工場はフル稼働状態。ただ「まだまだ市場は伸びる余地がある」(中村氏)とタニコーでは読んでいる。
狙いは一括納入が可能なチェーン店。今は個人店のオーナーが顧客の中心だが、今後は大量生産の強みを生かせるユーザーを積極的に開拓してく考えだ。(中戸川誠)
不慣れな人でもムラなく焼き上げることができる
電気たい焼き器鉄板が摂氏170度の一定温度が保たれ、6分でたい焼きが焼き上がる。ガスよりも温度が安定しているため、焼成時間は普及品より2〜3割短い。2連式と3連式があり、参考価格はそれぞれ87万5000円と100万円。カスタマイズ品が圧倒的に多いので同社のカタログには掲載されていない。