■ 『24時間戦えますか?!』
1997年7月この暑さの中、 二人の勇者達が熱い戦いを繰り広げるのであった。
3階建てのマンション、1階には古びた中華料理屋がある。 扉は開いたまま、本当に営業しているのであろうか。2階が研究員Bの部屋である。
この部屋には何もない?!
研究員Bの部屋に入ると、玄関と部屋の境目が無い!
境目と言うか、段差が無いのである。正面には、29インチのテレビがある。左手には、窓。右手には、冷蔵庫と流しがある。冷蔵庫の中には何も入っていない。あまりお金がないため、買い置きも出来ないのである。流しには、食器が山のようになっているかと思えば、その食器すら買えないのである。収納もあるが、ロッカーほどのスペースであって、収納とはとても呼べない。「くそ」が付くほどの暑さの中、今時エアコンの無い部屋はそうそう無い。
...が、唯一の救いは「チリン チリチリン」と言う、音だけでも涼しくしてくれる風鈴であった。この部屋は日の光もあたらず、暗く、狭い部屋である。
暑い!
夜も更けているというのに、拭いても拭いても滴り落ちる汗、息苦しいほどの暑さの中、私はすでに研究員Bとバトルを繰り広げ、ベトベトになったコントローラーを握り締めながら熱くなっていた。研究員Bには、まだ実験の主旨を知らせていなかったのである。ついに実験内容 を明かすことになった。
実験開始時間は、午後11時30分、あと10分程である。あらかじめ、見届け人研究員Cと何かあったときのDr.ゴンザレスを招いてある。
実験内容は、
某栄養ドリンクのうたい文句にある
「24時間戦えますか?!」某栄養ドリンクを飲むことによって、
本当に24時間戦うことが出来るのであろうか。
戦うといっても、どのように戦えばよいか?と言うことで、以前の会議で検討した。「1対1の殴り合い」これでは身体が持ちません。確かに、私がもし実験で殴り合いなんかしたら、タマッタもんじゃありません。人が身体を使ってするのでは危険が多すぎるので、ゲ-ムですることに決定していた。(私は大きく胸をなでおろした。)
研究員のどちらかは、 某栄養ドリンクしか、口にしてはいけない。お腹が空いたからと言って、モノを口にしたり、ジュースを飲んだりしてはダメ! 某栄養ドリンクのみ!
するともう一人は、何にも口にしてはいけないという、なんとも過酷な実験方法である。研究員Bは、シブシブながらも実験に参加することになった。私は、待ちに待ったこの実験、アドレナリンが体内を駆け巡りだしていた。
「ピンポーン」
見届け人研究員Cと何かあったときのDr.ゴンザレスの到着である。右手には某栄養ドリンク、左手にはコンビニのビニール袋、それらを大きく左右に広げ、玄関に立っていた。
ついにこの日がやって来た。いよいよ実験の始まりである・・・
《実験》
研究員Cに、コンビニでPS(プレイステーション)「TOBOL2」のソフトを、それは二人にとって、まだ見ぬ、未知のゲームソフトであるからだ。どちらかが以前にプレーしているソフトでは、片寄りが大きすぎてしまうので、このソフトを選定したのである。それと、この実験には欠かせない某栄養ドリンクを薬局で20本購入、PSのフタを開けソフトを入れ、コントローラーを握り、スィッチON!

- Pm11:42実験開始
- 最初は私と研究員Bとで、二人とも何も飲まない状態で戦いました。戦うこと30分、2人の勝敗を見比べると、21vs11で私の方が少し上手でした。果たしてこのまま24時間戦い続けると、その差はドンドン開いてゆくだけなのであろうか。そこで、敗者である研究員Bに「某栄養ドリンク」を飲んでもらうことにした。研究員Bは一気に飲み干し、次の戦いに挑むのであった。
このとき既に0時を回っていた...。
- Am0:30
- 戦っている二人の集中力を欠くような、色々な良い香りがしてきた。この香り は、1階にあった中華料理屋からしてくるものであった。ドラゴンか、エンペラーで炒めてる海老チリだっ!どうやら研究員Cと、Dr.ゴンザレスがお腹が空いたのか、勝手に侵入し料理をしているらしい。海老チリは、私の大好物であった。そういえば、昨日の夕飯を食べてなかった私は、お腹の虫が騒ぎだした。
- Am1:00
- 私に変化が出てきた。すでに瞼が重くなってきた。
- Am1:30
- 二人とも必死でボタンを押しているため、両親指が痛くなってきた。

- Am2:30
- 85vs65 二人の差は、始めたときとあまり変わらない。私は咽が乾いてきた。
- Am3:00
- 86vs73 ここで凄い変化がでました。今まであまり変わらなかった二人の差が、 縮まって来たのである。やはり栄養ドリンクを飲んでいる研究員Bは、栄養ドリンクのおかげで、ここまで差を縮めることが出来たのであろうか?私の指には一 層力が入る。
- Am3:30
- 100vs77 また私は盛り返すことが出来た。すると研究員Bは、栄養ドリンクを飲 み始めた。一気に差を縮めることが出来るであろうか?!
- Am4:00
- 121vs86 その差は縮まることはなかった。私はなぜか、意識がモウロウとして きた。研究員Bにも、かなりの睡魔が襲っている。親指は赤く腫れ上り、激痛が走る。
- Am4:30
- 136vs102 「はっ!」と、気付くと一瞬であるが寝ていたみたいだ。何を考えな がら戦っているか、何だかよく分からない状況だ。
- Am5:00
- 154vs115 研究員Bは、口数が少なくなったと思ったらウトウトとしていた。こ のまま続けていたら、いつの間にか二人とも寝ているかもしれない。
- Am5:30
- 165vs??? 親指がぁ・・・ ここでDr.ゴンザレスの登場である。だいぶ腫れ上っている私の指を、グイグイと押してみる。 ...以上ゲーム再開だ。おいおいっ!
- Am6:00
- 181vs137 もうだめだ、指が・・・
ここでドクターストップ!ゴンザレスは寝ぼけ眼で終わりを告げた。
《結果》
某栄養ドリンクを飲んだが、24時間戦い抜くことが出来なかった。
したがって...、
24時間戦えないということです。
両親指は赤くなり、すこし腫れていた。
特に、方向キーを動かしている左の親指が痛かった。KGK研究員が約6時間にわたる研究の結果が親指負傷のために、こんな結果に終わってしまうとは思いも寄らなかった。私はKGKに入って、半年が過ぎるが、こんな辛い実験をしたのは初めてであった。もうクタクタである。もう寝よう、と思うのだが身体が寝てくれない。頭は眠い、身体は眠らないこんな現象に見舞われているのは研究員Bであった。栄養ドリンクを飲んだため、そんな現象が起きてしまうのであろうか?
私は飲んでいないため、グッスリ眠ることが出来た。
...が、お腹の虫が鳴いている・・・
懸賞クイズ
結局は24時間戦いきれなかった、なんとも情けない結果になってしまった悔しい 実験であった。このまま引き下がるKGKではありません。またいつの日か、この実験に挑むこととなるでしょう。
GK研究員が約6時間にわたる研究の中で、「Am5:30」の二人 の対戦結果は、「165vs???」だったのでしょうか?
[ (1)「165vs121」(2)「165vs122」(3)「165vs123」(4)「165vs136」]