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岡山 長楽亭Gastronomie岡山/岡山市
ミシュランガイド東京2017「1つ星」を獲得した [オルグイユ]

炉窯ステーキとフランス料理でオープン当初から注目されている「岡山 長楽亭」。

厨房の中心に据えられたレンガ造りの炉窯は、重厚で原始的な印象。しかし、その調理方法は実に繊細であり、使う炭や肉の厚さ、温度によっても火の起こり方が変わり、頼れるのは熟練されたシェフの勘だけだという。炉窯ステーキだけでなく、シェフの光藤浩年氏による厳選された素材を使用したフランス料理は、県外からの観光客や多くの美食家を魅了している。

岡山の城下エリアという文化ゾーンに位置することから、代表の清水哲也氏は食を通じて岡山全体を盛り上げていきたいという思いがあると語る。「Gastronomieと銘打っていますが、これはフランス語で美食道という意味。店のあるこの場所は、今から約300年前なら岡山城の二の丸であり、普通の人は入れない特別な場所なんです。食事を通じて歴史の重みや文化を感じていただきたいです」

石垣を想起させる内装や岡山ゆかりの竹下夢二をオマージュした絵や大正ロマン風のインテリアなど、岡山の文化や歴史を感じさせる演出が隅々まで施されている。丸の内エリアに相応しく、岡山の美食道を牽引する存在であることに違いない。


お店の外観
お店のロゴ
店内
岡山 長楽亭 Gastronomie 代表 清水 哲也 氏岡山 長楽亭 Gastronomie
代表 清水 哲也 氏

岡山 長楽亭のオーナー長尾氏が『鉄板キュイジーヌ長尾』を立ち上げる際タニコーさんに厨房づくりをお願いした経緯があり、今回もお世話になりました。

ただ、今回は納期が非常にタイトにも関わらず、内装のイメージをくずさないように、見た目にもこだわったオーダー品を入れました。そのため営業担当の佐藤さんも大変だったとは思いますが、でき上がりには、とても満足しています。佐藤さんをはじめとした全てのスタッフの方々が集中して力を発揮してくださり、タニコーさんの実力を知ることができました。タニコーさんは何でもできる会社なんだと(笑)。

また、工期がタイトな分、厨房機器が揃った状態で開店後のオペレーションをシュミレーションしたのも10日足らず。工事途中で何もない状態の店に毎日通い、佐藤さんに何度も確認しながらシュミレーションをしていました。現場に私が毎日来るのは工事に関わった方々には煩わしかったかもしれませんが、完成するまでの工程を見ておいた方が開店後にお客様にも伝えられると思ったんです。日が経つにつれ、現場の方々と打ち解けていき、中には開店後も食事に来てくれる方々もいらっしゃり、厨房づくりをきっかけに新たな人間関係も築くことができました。

こうして完成した厨房は想像以上に使い勝手が良く驚きました。何かの作業のために2歩、3歩と動かなくとも、1歩動くだけで完結できるというのが第一印象。奥にも厨房はありますが、カウンター内の厨房に、スチコン、グリル、冷蔵庫など、全て揃っているので、カウンター内だけでほとんどの作業が完了するんです。常時3名、多い時で4名の調理スタッフが作業をしますが、それでも動きやすいんです。今後、調理スタッフが5名並んで作業をしたら迫力あるパフォーマンスになるのではと考えています。

完成後も細かな要望があるたびに佐藤さんには相談していますが、何かあればすぐに駆けつけてくれて、どんな相談をしても親身になって耳を傾けてもらえる。タニコーさんは本当に頼もしいパートナーだと思っています。調理スタッフはお客様とコミュニケーションをとりながら、そのニーズを反映させるという、“ライブ感のある調理”を実践しています。オープンして日が経てば、お客様からのニーズはもっと増えることでしょう。今後は、お客様の声を直に聞いている調理スタッフの提案もどんどん取り入れ、厨房もどんどん進化させていきたいと思っています。

スチームコンべクションオーブンから取り出すシェフ
スチームコンべクションオーブンとグリル
スチコン、グリル、冷蔵庫など、全て揃っているカウンター
岡山営業所 所長 佐藤 健治岡山営業所 所長
佐藤 健治

今回の案件は2ケ月の工期。その上、特注の釜を入れるということもあり、非常にタイトなスケジュールでした。8月に長尾氏から相談を受け、10月から工事が始まり、12月7日のオープン前日まで内装の一部をつくっていたほど。でも、オーナーの長尾氏とはお付き合いが長く、飲食のこと、厨房のことなど色々と教えていただいた方の一人でした。また、他のスタッフの方々の思い入れの強さもひしひしと感じたので、納期はギリギリだけれど、これは何としても成功させようと覚悟して取り組みました。しかし、肝心の炉窯の納入が遅れ、他の工事もできずに作業が止まってしまったり、11月下旬におおよそ完成した後もやり直しをしたりとオープン直前まで本当に大変でした。それでも、厨房づくりに関わるすべての人たちの意志の疎通がスムーズだったこともあり、完成させることができました。

長尾氏が重視されたポイントは、シックな雰囲気のインテリアになじむ厨房機器をつくること。つまりは「魅せる厨房」であること。調理スタッフの皆さんは、目の前のお客様と会話しながら調理しているのが大きな特徴です。初めてこの店に来店されたお客様には、鉄板の目の前の席が特等席に見えるかもしれませんが、実際はどこの席に座っていても、会話をしている調理スタッフのパフォーマンスは目に入りますし、厨房機器や食材も見えてしまうんです。どこに座っても特等席と思っていただけるように、デザイン性を重視したつくりにしたかったので、タニコーの技術を、フルに活かしました。

厨房の動線については、炉窯を中心に、お客様とのコミュニケーションをいつでもとれるようなレイアウトに変更しました。オープン前日に、オーナー長尾氏より『良い厨房ができました。佐藤さんが様々な方に、岡山長楽亭の厨房は俺がやったんだと、自慢できるような店にしていきますよ。』というお言葉を頂いたことが大変うれしかったです。オープンしてからも「こうすればもっと良くなるかも!!」という考えがふつふつと湧いてきます。これからも店舗の発展とともにさまざまな要望が出てくるかと思いますが、要望に合った提案をしてニーズに合わせた進化をしていきたいです。

インタビューの様子
インタビューの様子
お店のインテリアに合わせた色調のスチームコンべクションオーブンを挟んで撮影
タニコー株式会社 / 飲食店 / VOICE / 岡山 長楽亭 Gastronomie

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