岡山で新鮮な魚介を味わえる店といえば、筆頭に挙がるのが田町の繁華街にある「創味魚菜 岩手川」だ。1980年創業の老舗です。
その頃は11tや4tの水槽を積んだトラックで、北は青森や釜石から南は沖縄まで、当時の岡山では珍しい活魚を買い付けに行っていた。シマアジ用や鯛用の生け簀があり、環境変化に弱いイカなどは水槽車を店の隣の駐車場に停めておいて、オーダーが入るたびに取りに行っていたそうだ。
そうした経緯で全国各地の漁港とのツテを持つ岩手川は、今も瀬戸内と全国の活魚を提供する店として知られている。岡山名物のママカリやアナジャコ、黄ニラはもちろん常備。ノドグロや八角、クエ、キンキ、フジツボなど、岡山では珍しい魚介も取り扱う。使っている魚の種類はトップレベルとのこと。
現在、「創味魚菜 岩手川」を旗艦店として、そのDNAを受け継いだグルメ廻転寿司店「活魚廻転寿司 いわ栄 中庄本店」「活魚廻転寿司 いわ栄 津高店」「鮨 いわ栄 イオンモール岡山店」を、岡山・倉敷で展開している。
株式会社ケイフードサービスの常務・石田竜也氏は、「私たちが大切にしているのは、人対人のコミュニケーション。『岩手川』でも『いわ栄』でも、お客さまと言葉を交わしながら注文をいただきます。たとえば『岩手川』では、一匹の魚でも『片身は刺身、残りの半分は焼き物か煮物にしましょうか?』などと、数種類の料理法をご提案します。ご予約のお客さまにはお名前とメッセージ入りの敷き紙を用意し、常連の方にはキープしている“マイ箸”をセットしてお迎えします」と語る。おもてなしの心と確かな味で、多くの人に愛されている名店だ。
厨房のリニューアルや新店舗オープンのたびに、タニコーさんにはお世話になっています。「岩手川」では冷蔵庫や洗浄機のほか、新メニューで肉を本格的に取り入れた時には、鉄板もタニコーさんにお願いしました。
系列の「活魚廻転寿司 いわ栄 中庄本店」の厨房は、飲食店としてはちょっと変わった構造になっています。魚をさばいたりネタを引いたりする区画と一般厨房の区画に分かれていて、その間に大きな冷蔵庫がドーンとあるんです。この冷蔵庫の両面に扉があって、どちらの区画からも出し入れができます。つまり、さばいて切り出したネタを冷蔵庫に入れておけば、一般厨房でそれを取り出して握るというふうに、作業がスムーズに流れるのです。こういう形の厨房は病院や老人ホームなどの大量給食でよく使われる構造だそうですが、それを廻転寿司店に活用しています。その厨房もタニコーさんに依頼しました。
このように、タニコーさんとのお付き合いは以前からあったのですが、その後、2014年に「鮨 いわ栄 イオンモール岡山店」を出店する時に、岡山営業所の佐藤所長にずいぶんお世話になりました。ショッピングモールに出店するのは初めてだったので、計画の段階からいろいろと相談にのっていただき、東京の展示会にも同行していただいて検討を重ねました。佐藤さんはタニコーで扱っていない製品や他社製品にも詳しくて、「こういうものはないですか」と聞くと探してきてくださいました。
たとえば、フグの皮を引く作業は包丁だと難しく、きれいに取れないのですが、皮を取るための専用の機械があるのを佐藤さんが見つけてくださり、一緒に愛媛県の会社まで見学に行きました。それまで、包丁で引いたフグの皮はきれいじゃないのでムダが出ていましたが、専用機械できれいに取れるようになったので、皮のポン酢和えをメニューに加えることもできました。
タニコーの佐藤さんも内藤さんも、フットワークが軽くて対応が早いですね。相談すれば適切なアドバイスをくださいますし、アフターケアも素晴らしい。普段からいろいろな店に食べに行っているので他店の情報も詳しいし、本当にいろいろな提案をしていただけます。私たちのスタッフの間では「困ったときはタニコーさん」が合言葉になっているくらい、本当に頼りにしています。
今後は、働き方改革や人手不足が話題となる状況の中で、厨房でも機械に任せられることは機械に任せる時代になっていくと思います。人がやったほうがいい部分は絶対にありますが、機械に任せたほうが早く、きれいにできる部分も多分にあるはず。
そういった機械やロボットの開発を進めていただけたら、お互いにメリットがあると思います。これから人手不足が進む中で需要は確実にあるので、早急にご対応をお願いできたら助かります。
「創味魚菜 岩手川」は、インターネットのグルメ情報サイトなどでも評判のお店で、岡山県内での知名度も非常に高いです。長年通い続ける地元の方も多いですが、岡山市を代表する繁華街・田町に店舗を構えているので、観光客も数多く訪れます。カウンターのネタケースに入っている素材が見えるのも、気分を盛り上げてくれます。
「いわ栄」は、活魚をその場でさばいたネタを寿司職人が握るスタイルの「グルメ廻転寿司」で、県内でもトップクラスの人気を誇っています。いつも満員の繁盛店で、私ぐらいの世代では、フラッグシップ店の「岩手川」よりも「いわ栄」を先に知った人のほうが多いかもしれません。そもそも岡山県では廻転寿司店が全国屈指の激戦区であり、そこに「岩手川」のDNAを受け継いだクオリティの高さ、職人の腕の確かさを持った「グルメ廻転寿司」として挑戦したとのことです。
廻転寿司の形をとっている「いわ栄」ですが、100円寿司とは一線を画する味とサービス、一般的な寿司店よりもリーズナブルな価格で話題となり、さらに口コミでお客様が増えたそうです。「あの『岩手川』が手がけるグルメ廻転寿司」で、鮮度がよくおいしいという評判で人気廻転寿司店となり、今では「いわ栄」で食事をしたお客様が「岩手川」の評判を知って来店することも少なくないとのこと。「岩手川」「いわ栄」には、チェーン展開ならではの相乗効果も働いているようです。
今後もケイフードサービス様のご要望にお応えし、総合的にサポートしていけるよう取り組んでまいります。「岩手川」「いわ栄」のような地場チェーンを展開されているお客様のトータルサポートも、タニコーでは対応させていただいています。全国に営業所のネットワークが広がっていますので、もちろん全国規模のチェーンにも対応しています。