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アンバーコートカフェ&ダイニング京都/京都市
京都のホテルレストラン カフェ&ダイニング アンバーコート

京都の中心地・四条烏丸に位置し、観光やショッピングの拠点として人気のホテル日航プリンセス京都。1階のホテル入口を入ってロビーの左に、カフェ&ダイニング「アンバーコート」がある。

店内は明るく落ち着いた雰囲気で、白い壁に暖色系でまとめられた内装がよくマッチ。奥には大きなガラス窓があり、昼は降り注ぐ自然光に木の葉が映え、夜はライトアップが美しく輝く。ここでは、カジュアルな料理からフランス料理のコースまで幅広く楽しむことができる。また、香り高いコーヒーを求めてカフェとして利用するお客様も少なくない。京都という土地柄、全国各地からやってくる観光客に加えて海外からの訪日観光客も数多く訪れ、この空間で思い思いの時間をゆったりと過ごす。

宿泊客の多くが利用する朝食ブッフェでは、野菜を豊富に使用した約80種類のメニューが楽しめる。お客様の目の前でシェフが焼き上げるオムレツは、名物のひとつ。ほかにも、店内のオーブンで焼く自家製パン、自家製豆乳ヨーグルト、エッグベネディクト、フレンチトーストなど人気メニューも多く、「アンバーコートで食事するためにこのホテルを利用する」「朝食ブッフェを楽しみに宿泊している」というファンもいるほど。バラエティ豊かなジュースも人気で、ずらりと並ぶドリンクのディスペンサーはまさにインスタ映えスポットだ。


店内
ブッフェドリンク
ブッフェの様子
マネージャー 井上竜一 氏マネージャー
井上 竜一 氏

[井上 マネージャー]

2018年10月の店舗リニューアルでは、タニコーさんに大変お世話になりました。「清潔感と統一感のある、機能的で明るくスマートな朝食空間」をコンセプトに、ブッフェスタイルの時にもお客様に居心地のよさを提供できるよう、動線の改善などを行いました。リニューアル前はガラステーブルや大理石のカウンターなど料理卓に統一感がなく、朝食ブッフェでは使用しない固定テーブルもあったため、料理を取りに行かれるお客様も、そしてスタッフも動きづらい点がありました。

アンバーコートの営業は朝7時から夜10時までで、その間はクローズタイムがありません。朝食の時間のみがブッフェスタイルで、それ以外の時間帯は通常のテーブルレストランスタイルで営業しています。つまり、営業しながらブッフェスタイルからテーブルレストランスタイルへの設営変更を行う必要があり、お客様にご迷惑をおかけしないようスマートに、スピーディーに作業を行うことが求められるのです。従来はスタッフがブッフェカウンターを持ち上げて移動していましたが、リニューアルでブッフェカウンターをキャスター付きのものに変更したため、今ではスタッフ1名でスムーズに移動できるようになりました。ブッフェカウンターに付属する皿の収納スペースを最大化し、その位置も衛生面を考慮してより高い位置に変更しました。一部のブッフェカウンターは、差し込み式の衝立が収納されており、テーブルレストランスタイルの営業に欠かせないサービスステーション(シルバーや伝票などを置いておけるスタッフの基地となる台)に転換できるというアイデアを採用させていただき、朝食以外の時間帯にも活用できるようになりました。

材料・材質

実は以前、別の業者さんにも相談したことがあったのですが、われわれスタッフ間で課題についてのイメージ共有ができておらず、「もう少しビジョンが固まってから呼んでください」と言われてしまい、そのままになっていました。タニコーさんは専門知識と経験を活かして親身になって相談にのってくださり、問題点の洗い出し、機能性・作業性を追求した提案、適切な材料・材質の提案などをしてくださいました。実際に朝食ブッフェの営業中に足を運んで、ブッフェカウンターに料理が並んだところ、それをお客様が取る様子、スタッフが動く様子をご覧になって、課題を解決するためのラフスケッチや図面を起こしてくださったおかげで、私たちも課題を共有することができました。しかも、構想から約1年半という長期間にわたる作業になってしまったにもかかわらず、いろいろな要望をお聞き届けくださり、心より感謝しています。

2019年10月にホテル日航プリンセス京都とアンバーコートは、開業15周年を迎えます。よりいっそうお客様のご期待に応えられるよう、これからも新しいことに挑戦し続け、日々、創意工夫をして研鑽を積んでいきます。

料理長 山路漸 氏料理長
山路 漸 氏

[山路 料理長]

リニューアル前は、過去にブッフェレストランを行った際などに購入してきた料理卓を使用していたので、色や材質、高さなど、すべてが不揃いでした。ブッフェスタイルで営業する際、料理が並ぶ高さも配置もバラバラで動線が悪く、私がオムレツを作るカウンターから店内を眺めても、死角が多くてよく見えませんでした。それが、リニューアル後はブッフェカウンターの高さが統一されたため、店内を見渡せばお客様や料理の状況がよく見えるようになり、自分が動けない場合でも指示を出して対応できるようになりました。以前は、スタッフがお客様の間を縫って移動するような状態でしたが、動線の問題が改善されて料理の差し替えもしやすく、スムーズに動けるようになりました。以前に比べて、朝食ブッフェを提供する時間が楽しく快適になりました。また、ブッフェカウンターの天板を淡いピンクの大理石で統一したことで、店内が明るく開放感のある雰囲気になり、料理の見栄えもよくなりました。お客様が来店された時にも、パッと見て以前より明るい印象を持っていただけると思います。

ピンクの大理石カウンターピンクの大理石カウンター

社内で検討、プレゼンテーションを進める中で、既存のテーブルを使って図面サイズのカウンターをつくり、高さや幅、収納する皿の数、天板大理石の色調などについて、どうすればお客様が利用しやすいかを重点に置いて、何度もディスカッションを重ねました。その結果を踏まえ、希少なピンクの大理石を入手して要望を実現してくださり、感謝しています。常連のお客様にも「お店が明るく広くなったね」「料理が取りやすくなったよ」と、喜んでいただけています。

橋口さんには「こういう使い方をしてしまうと、ここに傷がつくのでクッションを置きましょう」「この部分はちょっと傷みやすいので注意してください」といった、ご経験を踏まえたアドバイスをいただき、また頑丈な設計をしていただけたので、長く大切に使っていきたいと思います。

関西事業部設計 橋口拓司 氏関西事業部 設計
橋口 拓司 氏

[橋口 拓司]

最初にお話をいただいてから、約1年半。改善すべき課題がお客様の側で明確になっていない状況からスタートし、初期段階より弊社からご提案をさせていただきました。お客様が検討された結果に対して次の段階をご提案するといった作業に時間をかけ、何度も打合せを重ねることができました。

実際に朝食ブッフェの営業中の様子を拝見させていただき、お客様がどのように動いて料理をお取りになるのかを確認し、こういった動線に直せばよいのではないかという形が見えてきたので、それをスケッチに描きました。お客様の望むものに対してプラスアルファをしてご提案し、最終的に成功へと導くことが絶対に必要であり、それが弊社の仕事だと思います。来店された利用者の方に「すごくよかった」と満足していただけるものを、やはり私たちは作っていかなければなりません。

ガラス製や木製などいろいろなブッフェカウンターが混在していたので、統一感を出せるよう天板の色を明るいピンクにし、それによって料理の見え方も変わることをねらいました。また、アイランドという両側から料理を取れる形のブッフェカウンターを、テーブルレストランスタイルのときにはサービスステーションとして活用できるよう、天板に衝立を立てられる形状をご提案しました。衝立は不要な時には外して収納できます。

食器を収納できる仕組み

また、ブッフェカウンターの扉が開いて食器を収納できる仕組みや、その収納スペースの高さはどのくらいに設定すればよいのかといった、細かい部分まで突き詰めることでよいものができたのではないかと思います。ご提案の際に、インバウンド対応の話もさせていただきました。今日の訪日観光客は、たとえば紅葉や雪景色といったものを体験する目的でいらっしゃる方がほとんどなので、料理でもちょっとした体験的な要素を入れると喜ばれます。自分で海苔を巻いて食べるようにするとか、食材を炙って食べるとか。そういう体験が「あ、おもしろい」と喜ばれるんですね。また、ブッフェの和食コーナーには料理の名前と一緒に、それがどういうテイストのもの分かるような表示があると、初めて和食を召し上がる方の参考になりますよね。そういうちょっとしたアイデアでおいしさ、楽しさを味わっていただき、その積み重ねが「この店ならでは」という価値になっていければいいなと思います。

京都営業所 安田真介 氏京都営業所
安田 真介 氏

[安田 真介]

私たちはいつも、最終的にエンドユーザーの方に喜んでいただけることを目指しています。それを最終ゴールとして、そこに到達するために、直接のお客様であるホテル日航プリンセス京都様、カフェ&ダイニング アンバーコート様に対して、どれだけのことができるかというところから今回もスタートしました。

つまり私たちの仕事は、決してブッフェカウンターを納品して終わりということではありません。たとえば、料理の盛り付けやインバウンド対応に関するご提案もそうですが、「お客様目線で考えるとこうですよ」というところも含めて、幅広くお力になれるようなご提案やサービスをご案内していきたいと考えています。

こうして今回のリニューアルをお手伝いさせていただいて、私たちは非常に嬉しかったですし、楽しかったです。これからも、いろいろなところでお付き合いをさせていただければと思います。私たちはお客様のために精いっぱい尽力いたしますので、お店づくりでお困りのときにはお声がけいただければと思います。

アンバーコート店内の様子
インタビューの様子
インタビューの様子
タニコー株式会社 / 飲食店 / VOICE / カフェ&ダイニング アンバーコート

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